大阪木材会館ビル / 建築物実績

大阪木材会館ビル

「国産材を用いたヒートアイランド対策協議会」(委員長水野稔大阪大学名誉教授)による研究実験(林野庁補助研究)の為のレトロフィットによる外壁の木質化

Region
大阪府
Program
オフィス
Completed
2011.2
Publications
日経アーキテクチュア
Awards
第14回木材活用コンクール優秀賞

Photo by Hiroyuki HIRAI

「公共建築等における木材利用の促進に関する法律」に関連して林野庁から木材利用の利点等を定量化するために行われた補助研究の一つとして築40年のRC造ビル南面に木外壁を取り付けた。ディテールとしては同一の素材を様々な形状・寸法でパネル化したものを、外壁に取り付けた微調整可能なランナー下地に取り付けている。パネル形状に多くのバリエーションを設けた目的はパターン毎のデータ収集はもちろんの事、このような木質化がヒートアイランド対策に有効であるならば多くの物件で実現されるはずであり、その際の実物大サンプル集の機能を担う事であり、さらに様々なパターンをまとめて統一感を醸し出す木材の素材としての能力を示すことである。HI対策としての機能は吉田篤正大阪府立大学教授により計測されており、林野庁への報告の他、学会等において発表されている。
木には他の建築材料にはあまり無い、「誰にでも取り付きの良い」という特性がある。そのような木の特性を考えると、ビル外壁の木質化の手法は特殊な技術として「囲い込む」方向ではなく木造住宅の在来工法のようにオープンな技術であることが望まれる。またそのようなオープンな技術であれば在来工法の担い手という肥沃な人的資源を用いることが可能となるので、多量の木材利用の増加に対応も可能である。本計画はそのような外壁木質化の為のオープンな構法開発の一部(RC造/改修)にも位置づけられるものである。

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